ハワイ島旅行記
Mark Twainは、サクラメント・ユニオン新聞社の記者時代に4か月程ハワイ諸島に滞在し大変気に入った様で、ハワイ諸島を洋上に浮かぶ艦隊に例え “The Loverliest Fleet of Islands that lies anchored in any ocean.”(数々の大洋に錨泊している中で最も美しい島の艦隊)と称賛している。 小生初めてハワイを訪れたのは1986年3月末米国駐在から帰国最後の休暇を家族とホノルルで3日程過ごした時だ。
それ以来、既に10回以上訪れているのであるが、ハワイ島には今回で4回目の訪問となった。 ハワイ諸島統一を成し遂げたKamehameha大王の出身地、欧米人として初めて上陸・足跡を残しハワイ島で非業の死を迎えたイギリス人海洋探検家Captain James Cook、海抜4000mを超えるマウナ・ロア等の活火山、世界コーヒー名産地であるコナ、日本人入植者が多く街並みにも古き日本文化の面影が残るヒロの街と興味が尽きない。3年程前から是非再訪したいと願っていたが、2020年初頭から世界的に深刻化したコロナ禍の影響で延び延びとなっていたが、最近の収束傾向で海外旅行も若干緩和されたお陰で久しぶりのハワイ島への旅が実現した。
以前ハワイへは正に”Paradiso”天国へ向かう非日常への気楽な旅を感じていたが、コロナ禍以降は、ハワイ入国に際し厚労省のワクチン接種証明書の他、米国CDCの要請で日本出発便搭乗前日のPCR検査陰性証明証、が必要となって、その手配で身近な医療機関を見つける事から始まり、米国入国に際しての宣誓書Attestationへの記入・署名も必要となり出発前迄に随分余計な手間が掛かった。 更に帰国に際しては厚労省から現地出発便搭乗72時間前迄のPCR検査陰性証明証が必須で、日本人旅行者の多いホノルルであれば中心街に当該検査証明を容易に実施できる場所もあるようだが、ハワイ島ともなると当該検査が可能な現地医療機関で検査・証明を得る必要があった。 幸運にも以前ハワイ訪問時にお世話になったAAハワイツアーズさんから当該医療機関を紹介頂き、前もって日本からwebで問診票を先方に送付し無事予約完了し、何とか予定通りに出発可能となった。
コロナ禍の影響でJALのコナ行直行便は休止、羽田からのホノルル行便で向かい、ホノルルでコナ行のHawaiian Air便を乗り継ぐことになった。名古屋(セントレア)から以前の様な現地ホノルルへの直行便も休止されておりJALのコネクションフライトでも出発空港である羽田迄繋ぐのは可能であるがセントレアが早朝出発便、その上羽田空港で10時間余待機する必要となる為、今回は数十年振りで新幹線+京急利用で羽田空港へ向かった。 空港でのチックインは未だ国際便も少なく、しかもGW明けで日本からの団体旅行者も見かけずスムーズに完了。 搭乗までは3時間以上あるので、時間的にも美味しい夕食をユックリ摂りたいとJALチックイン・カウンターの女性スタッフに「どこか空港内で食事を・・」と尋ねても「そうですね、殆どの店が閉まっていますので、」との残念な返事。 それでもと思い上のレストラン階に行ってみると、何と立派な寿司屋、居酒屋、ラーメン店がやっているではないか! 驚きと同時に日本で最後の夕食を楽しめる喜びを味わったのである。 定評のあるJALもコロナ禍で長い間サービス面での乗客に対する細かい対応が怠慢で中途半端になっていると感じ残念であった。
セキュリティーチェック、出国審査を終えターミナル中に入ると以前と比較すると午後8時過ぎとは言えこれから海外に向け出発する旅行客は疎らで殆どの店は閉まっており寂しい限りであった。(写真参照:搭乗口近くの通路)
帰国後、最近になり日本政府から本年6月からは海外から2万人の受け入れを開始するとの趣旨で、ロシア、南アフリカ等の数か国以外の国からは原則日本入国に際して現在行われている唾液による抗体検査で感染の有無の確認が実施(最低3時間待機必要)されているが、それも無くなるようである。 しかし各国の現行の防疫制度は継続される様で日本出国時も含め、帰国時は前もって夫々訪問先でのPCR検査陰性証明証は当面必要となりそうである。 申すまでも無く、その分余分の検査費用が必要となり、以前の様な気軽な海外旅行完全復活は未だ先になりそうだ。
5月7日午前10時頃、慌ただしい出国であったが、久しぶりのハワイの島々が我々を出迎えてくれた。 無事ダニエル・イノウエ・ホノルル国際空港に到着した。 熱帯特有の何とも言えない空気が心地よい。
未だ海外、特に日本からの旅行者が少ないせいか入国手続はスムーズで30分程で国内線ターミナルに移動しコナ行便にチェックイン、いよいよ懐かしいコナである。 今回ハワイ島滞在中はレンタカーを借りるのを見合わせた。 最近は日本人観光客の交通事故が多発しているのか最近ではどのレンタカー社も日本の免許証の他、英字記載のある国際免許証の提示を求めており、出発日直前にそのことが確認出来たものの、その取得に時間的猶予もなく、その上円安の影響か代金も割高感が強く、滞在中2日間はAAハワイツアーズさんの一車貸し切りで島内観光と決めていたので、費用対効果も加案し、断念した。
その為、早速コナ空港からはタクシー乗り場から地元のドライバーにホテルまで送って貰った。 ハワイ島のタクシーは大都会と違い不当に高い運賃+チップを要求する事も無く、良心的で安心であった。 途中コナ中心街にあるKTA Super Storeで取りあえず今日から2-3日分の食材+飲料を購入し一路ホテルに向かった。
ホテルは完全なるリゾートホテルであり、各部屋ともキッチン、ランドリー等が設置され、2階の部屋のベランダからの眺めは壮大で素晴らしい解放感を感じ滞在中毎朝はベランダで壮大な海を眺めながらの爽快な食事を満喫した。 家族連れで長期間ノンビリと滞在するには最適であるがホテル内にレストランは無く、歩いてでも行ける距離にはチョットしたグロッサリーもレストランは無いため、早速タクシーで夕食はコナ中心街に向かった。
流石に中心街はアメリカ人観光客の姿が多くみられ人通りもあったが、以前の盛況さは無かった。
海辺のレストランに入りコナで初めての夕食を楽しんだ。 久しぶりの冷えたコナビール”Long Board”は胃に滲みる。 背後から聞こえる波の音と沈み行く夕焼けの風景は何とも言えない心地よさがあり、長旅の疲れも忘れて新鮮なシーフードを楽しんだ。 ところうが、さあー帰ろうと思いウェイターにタクシーの手配を頼んだが当日運が悪くどのタクシーも捕まらず、結局ホテルまで暗い夜道を歩いて帰る破目になり、約3.5km全員50分程掛かり、何とかホテルに無事たどり着いた。 そのショックと緊張からか、その夜全員午前1時頃迄はなかなか興奮気味で身体も火照って眠れなかった。
翌朝はユックリと起床、テラスで朝食も時間を掛けて、午前10時過ぎにホテルから直ぐ近くにあるAlli Garden Market Placeを散策した。 園内にはトレーラーハウス、簡単な小屋等で作られたローカル色豊かな店が開店していた。 各店主とのやり取り、値段の掛け合いは面白く後から気づいたが、コナの中心街と比較すると可なり割安感があった。 中にはチョットした装飾品・小物を売っている店が”Oribe”のブランドネームであったので、「本来は日本由来の会社か?」と尋ねると驚いた事に「会社から基本理念はそうだと聞いている。」との返事で、その名前は今でも日本で特に雑貨・陶器で有名な土岐市の「織部」からと思われると説明してあげると興味深く聞いていた。
同じ過ちは、繰り返さない様にと思い、一旦ホテルに戻り、フロントでタクシーを頼み、昼食は以前何回も食事を楽しんだKona Brewing Company Pulに向い、帰路も午後8時にはコナ中心街のレストラン前に迎えに来てくれる様に同じタクシー運転手に下車と同時に予約しておいた。
海外への個人旅行のメリットは、行動の自由と現地で知り合う人々との屈託ないコミュニケーションが時間を気にする事無く